2023年(第35回)整形外科専門医試験解答【問51-75】

問51 20 歳の男性.6 か月前に左手関節を捻挫したが放置した.疼痛が持続するため受診した.
左手関節単純X 線正側面像を示す.正しいのはどれか.3 つ選べ.
a 月状骨軟化症を認める.
b 嗅ぎタバコ窩に圧痛がある.
c ギプス固定で骨癒合が期待できる.
d 放置すると変形性手関節症をきたす.
e DISI (Dorsal intercalated segment instability)を認める.

解答:b,d,e

解説:以下参照。

問52 Glisson(グリソン)牽引について正しいのはどれか.
a 長期の牽引に適する.
b 5-10kg から開始する.
c リウマチ頚椎病変に適する.
d 頚椎前屈10-30 度で行う.
e Glisson 係蹄を下顎と頚椎部にあてる.

解答:d

解説:
b.決まりはない。頚部は体重の1/10程度を目安?にするようです。
e.下顎と後頭骨にかける

コメント:Chat GPTの解答はc。完全に禁忌で必殺仕事人になってしまいますねw。

問53 頚椎症性脊髄症について正しいのはどれか.
a 初発症状として歩行障害が最も多い.
b Trömner 徴候の感度はBabinski 徴候よりも高い.
c Myelopathy hand では橈側指の内転や伸展が障害される.
d 徴候に基づく高位診断の精度は上肢感覚障害の分布が最も低い.
e 障害髄節以下の深部腱反射が亢進する割合は高齢者で増加する.

解答:b

解説:
a.初発症状としては頚部痛、肩こり、肩甲部痛など。
b.Trömner 徴候の感度は 94%、Hoffmann 徴. 候(76%)、 Babinski 徴候(36%)らしい。
 頚椎焼成脊髄症診療ガイドラインより
e.下顎と後頭骨にかける

コメント:ChatGPTの解答はc。

問54 立位マクロ写真と単純X 線像に示す疾患について正しいのはどれか.
a 視診は直立位のみで行う.
b 進行予防に体操療法が有効である.
c 腰椎主カーブは右凸のカーブが多い.
d 発症の年齢は角度の悪化に関わらない.
e 肋骨隆起rib hump はカーブの凸側に出現する.

解答:e

解説:b.唯一有効性が証明されているのは装具のみ

問55 図の胸椎単純CT 水平断像で示す疾患について正しいのはどれか.2 つ選べ.

a 夜間痛を特徴とする.
b 有病率は年齢に関係ない.
c 下位胸椎は好発部位である.
d 厚生労働省が指定する特定疾患である.
e 手術治療は前方除圧固定術が行われる

解答:c,d 

解説:黄色靭帯骨化

問56 脊椎分離症と脊椎すべり症について誤っているのはどれか.2 つ選べ.
a 脊椎分離症は第5 腰椎に好発する.
b 分離部の骨棘による神経根症状が出現する.
c Ranawat 法は脊椎すべり症の程度分類である.
d 発育期の脊椎分離症後のすべりは成長軟骨板で生じる.
e Cartilaginous stage に生じた脊椎分離症のすべり発生率は低い.

解答:c,e

解説:
b.分離部骨棘による神経根障害をragged edgeという。
c.Meyerding。Ranawatは環軸椎垂直亜脱臼の診断法

標準整形外科より

e.cartilaginous stageにおける分離症は、力学的脆弱性部位である成長軟骨層が剪断力に耐え切れずにすべり症に移行する可能性が高い。

コメント:Chat GPTも正解。

問57 腰椎椎間板ヘルニアについて正しいのはどれか.2 つ選べ.
a 女性の発生が多い.
b 喫煙は発生のリスクではない.
c 脊髄造影(myelography)は診断に用いない.
d 急な排尿障害発生は緊急手術の適応である.
e 椎間板内酵素注入療法は後縦靭帯下脱出型に行う.

解答:d,e

コメント:Chat GPTも正解。

問58 76 歳の女性.2 年前から歩行により増悪する両下肢痛としびれがある.腰椎単純X 線側面像(左),MRI T2 強調正中矢状断像(中央),T2 強調水平断像(右)を示す.本症例で起こりうるのはどれか.

a Babinski 徴候が陽性
b アキレス腱反射が亢進
c 下肢伸展挙上テストが陽性
d 足間代(ankle clonus)が陽性
e 大腿後面から下腿後面にかけての感覚障害

解答:c

問59 次の頚椎MRI T2 強調像(a), ガドリニウム造影MRI T1 強調像(b), 脊髄血管造影像(c)で示される疾患で正しいのはどれか.
a 夜間痛を認める.
b 浸潤性に発育する.
c CT で腫瘍内に石灰化が見られることが多い.
d MRI T2 強調像でTarget sign を認める.
e von Hippel-Lindau 病に合併することがある.

解答:e

解説:von Hippel-Lindau 病に合併した血管腫?

問60 60 歳の男性.5 か月前に特に誘因なく腰痛が出現した.徐々に悪化し体動困難となり受診した.血液所見はHb 10.5g/dl,白血球6800/μl,総蛋白9.5g/dl,アルブミン5.0g/dl,クレアチニン1.1mg/dl,尿酸4.2mg/dl,血糖145mg/dl,総コレステロール188mg/dl であった. 腰椎MRI T1 強調像(a), T2 強調像(b)を示
す. 次に行うべきものはどれか.
a 腰椎単純CT
b 血液培養検査
c 骨シンチグラフィー
d 椎間板ブロック注射
e 血液・尿の蛋白質検査

解答:e

解説:
多発性骨髄腫または悪性リンパ腫を疑えってことでしょうか?
MRIはアミロイドの沈着が見られる? 
すみません、自信ありません。

問61 小児の股関節疾患について正しいのはどれか.
a Perthes 病は女児に多い.
b Perthes 病の発症初期には大腿骨近位骨端核が分節化する.
c 乳児期の発育性股関節形成不全ではShenton 線が不整となる.
d 乳児期の脱臼股はリーメンビューゲル装具により装着翌日に整復される.
e 乳児の急性化膿性股関節炎に対する治療は, 抗菌薬の全身投与で十分である.

解答:c

コメント:Chat GPTも正解。

問62 大腿骨頭壊死症について正しいのはどれか.2 つ選べ.
a Stage 3 は骨頭圧潰を伴わない.
b Type C-2 の骨頭圧潰率は20%である.
c 骨頭遠位のMRI T1 強調像のびまん性低信号は,骨頭圧潰を示唆する.
d 発生直後の骨頭壊死域の脂肪組織は,MRI T1 強調像で低信号を呈する.
e Stage 1 のMRI T1 強調像での低信号帯は,組織学的には線維性肉芽組織に相当する.

解答:c.e

解説:

標準整形外科より

問63 40 歳の男性.3 か月前から歩行時に右股関節痛を自覚している.6 か月前からIgG4 関連疾患に対してプレドニゾロンの内服治療(最高投与量50mg)を受けている.外傷や減圧病の既往はない.空腹時血糖値が200mg/dl を超えている.両股関節単純X 線正側面像とMRI T1 強調冠状断像を示す.正しいのはどれか.

a 症候性大腿骨頭壊死症である.
b 大腿骨頭後方回転骨切り術の適応がある.
c 骨切り術後の健常部占拠率は36%以上が望ましい.
d 骨頭回転骨切り術後の荷重は,術翌日から許可する.
e 手術治療の際には,HbA1c を9.0-10.0%にコントロールする.

解答:c

問64 大腿骨寛骨臼インピンジメント(FAI)の診断に関係のないのはどれか.
a Shenton 線
b Herniation pit
c α 角55 度以上
d Pistol-grip 変形
e Cross-over sign 陽性

解答:a

コメント:Chat GPTも正解。

問65 一過性大腿骨頭萎縮症について誤っているのはどれか.
a 外傷が原因で発生する.
b 妊娠中の女性に好発する.
c 保存療法が第一選択である.
d 病理組織で骨梁の菲薄化および減少を認める.
e MRI T1 強調像で大腿骨頭から頚部にかけて,びまん性低信号域を認める.

解答:a

コメント:Chat GPTの解答はc。

問66 変形性膝関節症の手術療法について誤っているのはどれか.
a 人工膝関節置換術の手術適応は,60-70 歳以上である.
b 膝蓋大腿関節症の難治例では脛骨粗面外方移動術を行う.
c 内反膝に対する膝周囲骨切り術では,脛骨近位部での外反骨切りを行う.
d 人工関節全置換術において,脛骨コンポーネントの内旋位設置は膝蓋骨脱臼の原因となる.
e 小さな深部静脈血栓を含めると,人工膝関節全置換術の50%前後に深部静脈血栓症が生じる

解答:c

解説:
c.内側 その他外側支帯解離術

コメント:ChatGPTの解答はd

問67 66 歳の男性.15 年前に左膝外側半月板部分切除を受けている.6 か月前から左膝関節外側の疼痛が出現し,徐々に増悪してきた.単純X 線左膝正面像および両下肢立位正面像,左膝MRI プロトン密度強調冠状断像を示す.治療法として,適切でないのはどれか.

a 下肢筋力強化訓練
b ヒアルロン酸製剤関節内注射
c 自家軟骨細胞移植術
d 大腿骨顆上部での内反骨切り術
e 人工膝関節全置換術

解答:c

問68 67 歳の女性.4 か月前に誘因なく急に左膝痛が出現し,近医で内服薬や荷重制限などによる保存療法で加療されてきた.近医からの紹介受診時,中等度の関節水症と膝関節内側の疼痛を認めた.単純X 線左膝正面像および両下肢立位正面像,左膝MRI プロトン密度強調冠状断像を示す.この症例の治療法として,適切でないのはどれか.

a 足底挿板の追加による保存療法の継続
b 内側半月板切除術
c 高位脛骨骨切り術
d 単顆型人工膝関節置換術
e 人工膝関節全置換術

解答:b

問69 変形が軽度の外反母趾に対して最もよい適応の術式はどれか.

解答:b

解説:
軽度~中等度→chevron法、Mitchell法(今回)、中等度~高度→Ludloff法やscarf法などの骨幹部骨切り術、Mann法や近位chevron法などの近位中足骨骨切り術あるいは第1TMT関節骨底術=Lapidus法など。

問70 病的所見がみられる超音波画像はどれか.図の長方形はプローブの位置,矢印は方向を示す

解答:e

問71 壊死性筋膜炎について誤っているのはどれか.
a 筋組織は侵されない.
b 筋膜に沿って急速に拡大する.
c 急激に紫斑, 水疱, 血疱を生じる.
d 発症すると短時間で重篤な状態となる.
e CT 像にて羽毛状にガス像の拡がりを認める.

解答:e

コメント:Chat GPTの解答はa。

問72 直接骨折治癒(一次癒合)が得られるのはどれか.
a 脛骨骨幹部骨折に対するギプス固定
b 大腿骨骨幹部骨折に対する髄内釘固定
c 橈骨骨幹部横骨折に対する圧迫プレート固定
d 上腕骨骨幹部粉砕骨折に対する架橋プレート固定
e 小児上腕骨顆上骨折に対する経皮ピンニング固定

解答:c

コメント:Chat GPTの解答はa。

問 73 初期治療として創外固定が使用される可能性が高い骨折はどれか.
a 寛骨臼骨折
b 脛骨天蓋部骨折
c 前腕骨骨幹部骨折
d 上腕骨近位部骨折
e 大腿骨転子下骨折

解答:b

コメント:Chat GPTの解答はe。

問 74 骨折治療として誤っているのはどれか.
a Hoffa 骨折に対して,キャスト固定を行った.
b 脛骨プラトー骨折に対して,創外固定を行った.
c 上腕骨骨幹部短斜骨折に対して,髄内釘固定を行った.
d 肘頭横骨折に対して,引き寄せ鋼線締結法で固定した.
e 脛骨骨幹部粉砕骨折に対して,ロッキングプレート固定を行った.

解答:a

解説:
a.Hoffa骨折=大腿骨顆部冠状断骨折

コメント:Chat GPTの解答はb。

問 75 骨粗鬆症性椎体骨折の椎体圧壊や偽関節の予測因子として誤っているのはどれか.
a 椎体後壁損傷
b CT 像における椎体内クレフト
c MRI T2 強調像における椎体の広範囲な低信号
d MRI T1 強調像における椎体終板に沿った高信号
e MRI T2 強調像における椎体の髄液と同等な高信号

解答:d

コメント:ChatGPTも正解。

あざらし

Chat GPTの正解率は5/13(38%)!


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