今回は、現役美容外科医のあざらしが、クマ取りの施術に関して忖度なく解説していきます。
Youtubeやブログなどでは、それぞれのクリニックが解説しており、基本的にすべてポジショントークになっています。当ブログは、集客は一切考えていないので、忖度なくメリットデメリットを解説していきます。
クマトリの種類
それではまずクマ取りの種類からですが、主に2種類あり「脱脂」と「ハムラ法」があります。
そして脱脂とハムラ法ですが、それぞれアプローチ方法として「下眼瞼粘膜からのアプローチ法」と「下眼瞼の皮膚側からのアプローチ」から行く方法の2種類あり、計4種類の方法があるということになります。
ハムラ法では、下眼瞼粘膜側からのアプローチ法を「裏ハムラ」、下眼瞼皮膚側からのアプローチを「表ハムラ」と言います。
主にこの「脱脂」「裏ハムラ」「表ハムラ」の三つに関してメリットデメリットを解説します。
脱脂
突出した眼窩内脂肪を除去してくる方法。比較的簡便な手術。
メリット
①手術時間が比較的短い(15~40分程度)
②料金が比較的安価(20~30万程度)
③ダウンタイムが短め(1週間程度)
デメリット
①tear trough naso-jugal groove=いわゆるハの字が目立つ人はこれは良くならない
②下眼瞼が凹む分やや皺になりやすい
③くぼみ目が悪化することがある
④目のへこみが悪化する可能性
→(年齢とともに眼窩の骨が委縮してくるため、そもそも加齢とともに眼球が陥凹してくるが、眼窩内脂肪のボリュームが減ることでそれを悪化させる)
裏ハムラ
脱脂と異なり、脂肪を除去せずに眼窩内脂肪を覆っている眼窩隔膜を骨膜に縫い付けてくる+tear trough ligamentを剥離してくる術式。
メリット
①tear trough naso-jugal groove=いわゆるハの字が改善。
②眉下のくぼみ目が改善することがある
③脱脂と比較して目の下が窪みにくい+皺になりにくい
デメリット
①目の下が窪みにくいので、のっぺりした印象になりやすい
②手術時間が長め(60分~90分程度)
③比較的料金が高め(60~80万程度)
④ダウンタイムが長め(数週間)
⑤tear trough ligament を剥離してしまうので、将来的な中顔面のたるみの進行や下眼瞼外反の可能性がある
⑥全員にできるわけでは無い(適応が限られる)
表ハムラ
裏ハムラとやっていることは同じだが、皮膚からアプローチするため余剰皮膚を切除することができる。
メリット
①裏ハムラと同じ +αで以下
②余剰皮膚を切除することで皮膚の皺がより目立ちにくい
デメリット
①裏ハムラと同じ +αで以下
②余剰皮膚を切り取ることで下眼瞼外反のリスクが高まる
③眼輪筋を切るため、眼瞼外反のリスク+眼輪筋機能不全に伴う諸々のリスク
脱脂と裏ハムラの黄色線で引いた④のデメリットはネット情報だとあまり出てこないので、注意が必要説明。
ネットのポジショントークによる誤情報
〇脱脂より裏ハムラの方が再発しにくい
→そんなことはない。どちらも等しく再発のリスクはあります。むしろしっかり脱脂していれば脱脂の方が再発のリスクは理論的に少ないはず(その分目の下の窪みも強くなるけど)
〇裏ハムラは脱脂の上位互換
→そもそもやってることが違うので、上位互換なわけない。仕上がりも異なります。
〇裏ハムラは難しいので行える先生が限られる
→半分嘘。脱脂よりできる先生は限られるのは本当だが、特別難しい手術ではないので、例えば「形成外科専門医の先生しかできない」とか「優秀で才能ある先生しかできない」というのは嘘。
結局どの術式がいいの
結論、、人による!!
基本的には
・tear trough naso-jugal groove(ハの字)が気になる人は→ハムラ法
・tear trough naso-jugal groove(ハの字)気にならない人⇒脱脂
・目の下のたるみが強い人⇒除皺術+脱脂or表ハムラ
+仕上がりを目の下を窪ませたいか、のっぺりさせたいか。
しかし、デメリットでも述べた「脱脂:④将来的に眼球陥凹が悪化する可能性」「ハムラ:⑤tear trough ligament を剥離してしまうので、将来的な中顔面のたるみの進行や下眼瞼外反の可能性がある」はネットで見かけにくいですが、結構重要なデメリットなので、あとはこちらを許容できるかが選ぶポイントです。
コメント