筋肉トレーニング理論⑤~筋力増強・筋肥大それぞれにフォーカスしたトレーニング方法について~

いままで筋トレ理論について解説してきました。

ここでは、いよいよトレーニング方法について解説します。

あざらし
では、いくよ♪
目次

トレーニング強度について

以前、トレーニングの種類について紹介しました。(→こちら

トレーニングの負荷強度は、最大挙上負荷強度(1RM)に対する割合(%1RMで決める場合と最大反復回数(RM)で決める場合(=RM法と呼ぶ)があります。

RM法で決める場合、RMが8回となる強度を8RM強度と呼びます。

 

下図は、%1RMとRM法の主観的強度の表になります。

 

ちなみに、等張力性トレーニングで筋肥大・筋力増強効果を得るためには、通常65%1RM以上の負荷強度が必要と言われています。

筋トレの目的

筋トレの目的として大きく分けて2つあります。

 

筋肥大(筋量増大)をするのか、筋力増強をするのか。

 

以前も説明しましたが、筋肥大は筋核の増加を筋力増大は神経系活動の改善に効果的にアプローチするトレーニングが必要となります。

 

一般に

最大筋力の85~90%以上の高強度で少ない反復でのトレーニングは、神経要因の改善に効果的。

最大筋力の70%前後に相当する力発揮をできるだけ多く反復するトレーニングは、筋肥大に効果的

とされています。

トレーニング強度については、図を参照ください。

 

○要約すると

・めちゃくちゃ重いものを頑張ってあげる→筋力Up

・そこそこ重いものを10回程度持ち上げるのを繰り返す→筋肥大

ということですね。

 

それでは具体的なトレーニング方法について説明していきます。

筋肥大にフォーカスしたトレーニング方法

トレーニングの負荷量

「筋トレで大事なのはトレーニング強度」という考え方は古いようです。

筋肥大で重要なのは、上でも述べましたが、そこそこ重いものを持ち上げる動作を繰り返すことでした。

言い換えれば、低負荷のトレーニングでも筋肥大を促すことが可能です(といっても%65RM以上は必要ですが)。

 

結論から申し上げると筋肥大効果は、「総負荷量」で決まります

 

つまり、低負荷のトレーニングでも反復回数を増やして総負荷量を増やすことで、高負荷トレーニングと同等の筋肥大効果が期待できるわけです。

 

総負荷量=トレーニング強度×回数×セット数 の総和で決まります。この総負荷量を高めることが、筋肥大を促すためには必要となります。

 

ちなみに高負荷トレーニングを行っても筋肥大は生じますが、高負荷トレーニングの場合まず神経系の適応が生じたあとに筋肥大がおこるため、筋肥大を優先してトレーニングをしたい場合は8割くらいの力で1セット10回を3セット行うトレーニングが良いと言えます。

 

トレーニング頻度

巷では、「筋トレ後の超回復を意識して週2,3回がよい」と言われることもあります。しかし厳密には、とれーんんぐ頻度がトレーニング効果に及ぼす影響ははっきりしていません。

とある研究だと週2回か3回がベストとされますが、なんとも言えないところです。

筋肥大に限って言えば、筋肥大は総負荷量に依存するので、低負荷トレーニングであればトレーニング回数を増やし、中~高負荷トレーニングならば週2回程度でもよいでしょう。

 

セット間の休憩

筋肥大を目的とした中程度負荷トレーニングを行う場合、1-2分程度のセット間休憩がよいといえますが、厳密にはあまり気にしなくてよいと思われます。

理由として2つ。

まずセット間休憩は1分程度が運動後の成長ホルモン・テストステロンの増加がもっとも高まるという研究があります

しかし、最近ではこの運動後の成長ホルモンやテストステロンの増加がトレーニングの筋肥大効果に影響を与えないことが報告されています。

むしろセット間休憩を長めにとることで、総負荷量を増やせるという考え方もできます。また、トレーニング上級者や性別、年齢でも最適な休憩時間は個々で異なるようです。10分以上あけるのはともかく、数分程度であればあまり気にしなくてよいでしょう。

 

運動スピード

筋肥大を目的とした場合、「8秒以内」で行うことがよい。

高齢者だったり、低血流トレーニングなどの場合は「スロートレーニング」も有効なようですが、健常人では筋肥大効果が下がるようです。

スロートレーニングは遅筋(typeⅠ線維)の肥大には有効ですが、筋肥大の際に大事な速筋(typeⅡ線維)の肥大は起こりにくいのが原因のようです。

また、以前も説明しましたが、ネガティブ動作(戻すとき)は速筋に有効的に効くので、ネガティブ動作は筋肉を意識して行うのが大事になります。

 

まとめ

・筋肥大はトレーニング総負荷量で決まる

・低強度トレーニングでもセット回数や週あたりのトレーニング回数を増やすだけで、十分効果が得られる

・セット間休憩の目安は1-2分程度でこだわらなくてよい

・運動は遅すぎず「4-8秒以内」を意識する。ネガティブ動作時はゆっくり目で。

・筋肥大の効果=総負荷量(強度×回数×セット回数)×運動スピード×週の頻度

筋力増強(増大)にフォーカスしたトレーニング方法

トレーニング負荷量

繰り返しになりますが、高強度トレーニングの少ない反復が筋力増強に有用です。

“少ない“というのは、回数が少なければよいというわけでなく、何回も持ち上げられないくらい高強度という意味です。

あざらし
筋力増強にはなるべく高強度トレーニングをしましょうってことね

というか、筋力増強に関しては高負荷トレーニング一択

具体的には、1RM80%以上の高強度トレーニングが推奨されています。

あざらし
連続で10回も持ち上げられない重さ以上が望ましいってことね

 

トレーニング頻度

筋力増強において、筋肥大と同様に週単位の総負荷量が大事になります。

また、筋力増強の際は筋肥大よりも正しいフォームで行うことが大切です。

トレーニングの繰り返し動作で学習効果がUpして、筋力増強効果が得られるためです。

 

セット間休憩

休憩時間に関してはあまり意識しなくてよいでしょう。

むしろ短すぎると最大筋力を発揮できず負荷量が下がってしまうので、3-5分程度の長めの休憩時間を取るようにしましょう。

むしろ十分な高負荷トレーニングができれば、セット数や回数を増やさなくてよいと思われます

運動スピード

運動スピードは筋肥大にフォーカスした場合、「8秒以下」と説明しました。しかし筋力増大にフォーカスした場合、もっと短く「6秒以下」が良いようです。

これは、年齢やトレーニング経験の有無にかかわらず、6秒以下の運動スピードがもっとも筋力増強効果発揮するようです。

 

まとめ

・筋力増強には高負荷トレーニング一択!

・週のトレーニング頻度にも効果は依存

・セット間休憩はしっかりとるように

・筋力増強効果=トレーニング強度×運動スピード×週の頻度

 

 

今回は以上になります。

いろいろ述べてきましたが、筋トレに関してもまだベストなトレーニングは定まってないとも言えます。

一番は続けることになります。

次回は習慣化テクニックについて考えていきます。

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