筋肉トレーニング理論⑦|筋肉痛がないと筋トレは効いていない?筋肉痛と筋肥大の関係

筋トレをした翌日、筋肉痛がくると、

「昨日の筋トレは効いたな」

と思う人は多いと思います。

逆に、筋肉痛がこないと、

「筋トレが足りなかったのかな?」
「追い込みが甘かったのかな?」
「筋肉は成長していないのかな?」

と不安になる人もいます。

しかし、結論からいうと、

筋肉痛がなくても、筋トレは効いています。

筋肉痛は、筋トレ効果のひとつのサインにはなりますが、筋肥大の必須条件ではありません。

むしろ、毎回強い筋肉痛を追い求めると、トレーニングの質が下がったり、ケガにつながったりすることもあります。

今回は、筋肉痛と筋肥大の関係について解説します。

目次

筋肉痛とは何か?

筋トレ後に起こる筋肉痛の多くは、遅発性筋肉痛と呼ばれます。

英語では、Delayed Onset Muscle Soreness、略してDOMSといいます。

DOMSは、運動直後ではなく、運動後しばらくしてから出てくる筋肉痛です。

一般的には、

  • 運動後12〜24時間くらいで出始める
  • 24〜72時間くらいでピークになる
  • 数日で自然に軽くなる

という経過をとります。

特に、普段やっていない運動をしたときや、久しぶりに筋トレをしたときに起こりやすいです。Cleveland Clinicも、DOMSは「新しい運動」「普段より強い運動」の後に起こりやすく、1〜3日後に出やすい筋肉痛と説明しています。(Cleveland Clinic)

筋肉痛はなぜ起こるのか?

昔は、筋肉痛は「乳酸がたまるから起こる」と言われることがありました。

しかし現在では、筋肉痛の主な原因を単純に乳酸だけで説明する考え方は一般的ではありません。

DOMSは、筋線維や筋肉周囲の結合組織に小さな損傷が起こり、その修復過程で炎症反応などが生じることで起こると考えられています。特に、筋肉が伸ばされながら力を出すエキセントリック収縮で起こりやすいとされています。(Physiopedia)

たとえば、

  • スクワットでしゃがむ局面
  • ベンチプレスでバーを下ろす局面
  • 懸垂で体をゆっくり下ろす局面
  • 坂道を下る動作

などです。

これらは、筋肉が引き伸ばされながら力を出すため、筋肉痛が起こりやすくなります。

筋肉痛がある=筋肉が成長している、ではない

ここが一番大事です。

筋肉痛があることと、筋肉が成長していることは同じではありません。

筋肉痛は、慣れていない刺激や筋損傷のサインにはなります。

しかし、筋肉痛が強ければ強いほど筋肥大するわけではありません。

実際、筋損傷の程度は、筋肉痛だけで正確に判断できるわけではありません。筋損傷の指標としては、筋力低下や関節可動域の低下なども重要であり、遅発性筋肉痛は筋損傷の大きさを必ずしも反映しないとされています。(J-STAGE)

つまり、

筋肉痛は“効いた証拠”ではなく、“慣れていない刺激が入ったサイン”

くらいに考えるのがよいです。

筋肉痛がなくても筋肥大は起こる

筋肥大に重要なのは、筋肉痛そのものではありません。

重要なのは、

  • 適切な負荷
  • 十分なトレーニング量
  • 正しいフォーム
  • 漸進性過負荷
  • 栄養
  • 睡眠
  • 継続

です。

特に大事なのは、漸進性過負荷です。

漸進性過負荷とは、少しずつ筋肉への負荷を高めていくことです。

たとえば、

  • 以前より重い重量を扱える
  • 同じ重量で回数が増える
  • 同じ回数でもフォームが安定する
  • セット数を少し増やせる
  • 可動域をしっかり使える

このような変化があれば、筋肉には十分な刺激が入っています。

筋肉痛がなくても、重量や回数が伸びているなら、トレーニングは前進しています。

毎回強い筋肉痛を狙う必要はない

筋トレをしていると、

「翌日に歩けないくらい脚が痛い」
「腕が上がらないくらい肩が痛い」
「筋肉痛が強いほど頑張った感じがする」

という感覚になることがあります。

しかし、毎回強い筋肉痛を狙う必要はありません。

むしろ、強すぎる筋肉痛はデメリットもあります。

たとえば、

  • 次のトレーニングの質が下がる
  • フォームが崩れやすくなる
  • 関節や腱に負担がかかる
  • 日常生活に支障が出る
  • 継続が嫌になる

などです。

DOMSはパフォーマンス低下や可動域制限につながることがあり、強すぎる筋肉痛を無視してトレーニングを続けると、ケガのリスクも高くなります。(ガーディアン)

筋トレは、毎回ボロボロになることが目的ではありません。

次回も質の高いトレーニングができる程度の刺激

が大切です。

筋肉痛が起こりやすいトレーニング

筋肉痛が起こりやすいのは、次のような場合です。

  • 久しぶりに筋トレをした
  • 初めての種目を行った
  • 重量やセット数を急に増やした
  • ネガティブ動作を強調した
  • 可動域を大きく使った
  • 下り坂を走った
  • 普段使わない筋肉を使った

たとえば、普段マシン中心の人が急にブルガリアンスクワットを行うと、かなり筋肉痛が出ることがあります。

これは、筋肉が急に成長したというより、慣れていない刺激が入ったと考える方が自然です。

筋肉痛があるときは筋トレしていい?

軽い筋肉痛であれば、筋トレをしても問題ないことが多いです。

ただし、同じ部位を高強度で追い込むのは避けた方がよいです。

たとえば、脚に強い筋肉痛があるなら、

  • 上半身を鍛える
  • 軽めの有酸素運動にする
  • ストレッチや可動域運動にする
  • 重量を落としてフォーム練習にする

などがおすすめです。

軽い運動は、一時的にDOMSの痛みを和らげることがあります。ただし、その効果は一時的であり、完全な治療法というより「動かすと少し楽になる」程度に考えるのがよいです。(PubMed)

逆に、次のような場合は無理をしない方がよいです。

  • 痛みが強くてフォームが崩れる
  • 関節に痛みがある
  • 腫れがある
  • 力が入りにくい
  • 痛みが1週間近く続く
  • 日常生活に大きく支障がある

この場合は、通常の筋肉痛ではなく、肉離れや腱・関節のトラブルが隠れている可能性もあります。

筋肉痛を減らすには?

筋肉痛を完全に防ぐことは難しいですが、強すぎる筋肉痛は減らせます。

ポイントは、急にやりすぎないことです。

具体的には、

  • 久しぶりの筋トレは軽めから始める
  • 新しい種目は少ないセット数から始める
  • 重量やセット数を一気に増やさない
  • ネガティブ動作をやりすぎない
  • 睡眠をしっかり取る
  • たんぱく質と炭水化物を不足させない
  • 同じ部位を連日追い込まない

ことが大切です。

特に、久しぶりの脚トレでいきなり追い込みすぎると、数日間まともに歩けなくなることがあります。

筋トレは、最初から全力でやるより、少し余裕を残して継続する方が成功しやすいです。

筋肉痛より見るべき指標

筋肉痛の有無より、次の指標を見た方がよいです。

  • 重量が伸びているか
  • 回数が増えているか
  • フォームが安定しているか
  • 可動域が保てているか
  • 狙った筋肉に効いている感覚があるか
  • トレーニングを継続できているか
  • 関節や腱に痛みが出ていないか
  • 体型や筋肉量に変化があるか

筋肉痛は、あくまで参考程度です。

本当に大事なのは、

前より少し強くなっているか
前より少し上手くなっているか
ケガなく続けられているか

です。

まとめ

筋肉痛があると、筋トレが効いたように感じます。

しかし、筋肉痛は筋肥大の必須条件ではありません。

筋肉痛がなくても、適切な負荷でトレーニングできていれば、筋肉は成長します。

逆に、毎回強い筋肉痛を狙いすぎると、回復が追いつかず、トレーニングの質が落ちたり、ケガにつながったりすることがあります。

大事なのは、筋肉痛ではなく、

適切な負荷、正しいフォーム、十分な回復、そして継続です。

筋肉痛は「効いた証拠」ではなく、
慣れていない刺激が入ったサイン
くらいに考えましょう。

筋トレは、痛みを競うものではありません。

ケガをせず、少しずつ強くなること。

それが、長く続けられる筋トレの正解です。


よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

目次