どうも、こんにちは。
今回は、研修医などの若手ドクターが医師賠償責任保険に加入する必要があるかどうかを、自分の失敗体験談も含めて解説していきます。
結論は、初期研修医やバイトをしない後期研修医は不要ですが、それ以外の方は保険に加入するのがおススメです。
初期研修医の保険加入はほぼ不要
初期研修医になると医師賠償責任保険の加入の書類が届くことも多いと思います。
僕も研修医時代は周りがみんな保険に加入していたので、つられて保険に加入していました。
しかし、結論初期研修医は保険加入は必須ではありません。
初期研修医のうちは上級医の責任の下、当直も含めた医療業務を行いますので、初期研修医個人が訴えられることはまずありません。
ただし、犯罪に近い行動や人間的に問題ある行動をすれば話は別ですが。
それ以外の医療ミスがあっても、病院側が責任を持ちますので、病院が訴えられても個人に訴訟が及ぶことはかなりまれ。僕の知りうる限り、研修医で個人訴訟を受けた方はいません。
初期研修医は給料も高くないので、年間約5万円の保険料はかなり負担だと思います。必要性も感じないまま漫然と保険加入するのは得策ではないでしょう。
後期研修医の保険加入はした方がいい
初期研修医と異なり、後期研修医ともなるとバイト業も行う方がいるでしょう。
結論ですが、他院へバイトにいくのであれば保険加入はほぼ必須。
自分の起こした不祥事を、バイト先の病院が負担してくれるかわかりませんからね。クリニックなどの小規模施設であればなおさらです。あえて言えば、手術の助手など治療に主体的に関わらない業務であれば不要かもしれません。
また、バイトに行かない研修医も保険加入はした方が無難。
個人的な経験ですが、医師5,6年目までは経験不足・知識不足で業務上不安定な状態。僕も過去一の失敗は医師5年目の時でした。
初期研修医とは異なり、後期研修医は自分の失敗を病院側が守ってくれるとは限りません。失敗が大きく逸脱しなければ大抵大丈夫ですが、年間約5万円で安心を買えるのであれば安い買い物です。
保険選びのポイント
補償限度額は2億円がおススメ
2022年現時点で医療訴訟の最高額は3億2700円!
まじすか、、。
と驚愕している方も多いと思いますが、安心してください。
こちらは病院側に下った判決ですので、個人に対する訴訟ではありません。
しかし、医師個人での最高訴訟額も1億7000万円なので、保証最高限度額は2~3億で選ぶのが無難でしょう。
年間保険料は4~6万円
この後紹介しますが、年間保険料はおおむね4~6万円程度が相場。
数千円の出費の違いはあれど、大きく保険料はかわりません。
保険内容はどこもほぼ同じ。自分が信頼できる保険会社と契約しましょう。
医師賠償保険の比較
医師賠償責任保険は大きく分けて3つ
①各種学会と提携している賠償保険
②医師転職サイトで入れる賠償保険
③日本医師会の賠償保険
その他、各団体や病院が個別で医師賠償責任保険を取り扱っているものもあります。
各学会で保険料は異なりますが、整形外科学会を例に出します。
例)整形外科学会の保険料
補償限度額 | 年間保険料 |
3億 | 62,400円 |
2億 | 51,570円 |
1億 | 40,660円 |
7000万 | 32,940円 |
5000万 | 28,700円 |
3000万 | 23,800円 |
100万 | 4,000円 |
医師賠償保険でもっともコスパがよいとされているのがこちら。
転職サイトの「民間医局」
画像:民間医局より
料金表は以下
タイプ | 補償限度額 | 年間保険料 |
E | 3億 | 53360円 |
D | 2億 | 47710円 |
C | 1億 | 41660円 |
AB | 5千万 | 32310円 |
補償限度額が2,3億のプランであれば、学会付属の保険より年間保険料は5千~1万円程度安いですね。
最後に日本医師会オリジナルの賠償責任保険。
画像:日本医師会ホームページより
特徴は、保証限度額が一律1億円のコースのみということ、1事故あたり100万円の免責金額が設定されていることです。
区分 | 年間保険料 |
勤務医(31歳以上) | 68000円 |
勤務医(30歳以下) | 39000円 |
研修医 | 21000円 |
30歳以下の勤務医であれば、保証限度額1億円の中では最安値。
ただし他のものと比較しても年間保険料が1000~2000円程度しか変わらないので誤差の範囲かも。
31歳を超えるといきなり保険料が上がります。
利点は、いざ損害賠償請求をされた時に日本医師会がバックアップにいること。
補償限度額別最安値
補償限度額 | 保険料最安値 |
3億 | 民間医局 |
2億 | 民間医局 |
1億 | 各種学会連携保険 |
5000万 | 民間医局 |
31歳以上の先生であれば、民間医局がおすすめです。
30歳以下の後期研修医の先生は、日本医師会の保険でもよいでしょう。
まとめ
・初期研修医は保険はほぼ不要。後期研修医はほぼ必須。
・補償限度額は2億円がベスト
・コスパ重視は民間医局がおすすめ
以上になります。
医師も人間ですからミスはつきもの。
訴訟が多い産婦人科や美容医師を目指すのであれば、賠償保険はとても大事。
いざという時の保険はしっかりかけておきましょう。
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