2024年秋現在美容外科業界で‘‘直美‘‘問題が浮上している。
直美とは何かというと、「初期研修終了後医局や専門医淑徳修士課程を経ずに直接美容外科クリニックに入職」する人の事。これが一般外科への人手不足を助長させているなど問題が指摘されている。
直美に関して、個人的見解と展望を考えていきたいと思う。
そもそも直美は問題なのか
よく「美容外科に行くなら最低でも専門医を取得してから行け」という爺医がいますが、これは半分ごもっともで半分間違いと思っている。結局大学へ入局しても実際の執刀や美容外科に関わる内容はほぼなく、資料作りやカルテ作成などの雑用が主。
形成外科の医局に入局しても最初の4年くらいは雑用がメインで、執刀がメインの仕事になるのは医者8年目くらいから。雑用に数年費やすくらいなら、執刀を積みにくかったとしても‘‘直美‘‘になる選択肢を選ぶのが当然と言えば当然。
逆に雑用をやりながらでも学べることがあるのは事実。どちらを良しと取るかは人それぞれ。
寿司職人が弟子入り当初に皿洗いなどの雑用をするのが良いか悪いのか問題があるが、これはそれに近い気がする。
どうして直美が増えているのか
これは明確な答えがある。
一つは女性医師が増えたこと。二つ目はSNSの普及により若手医師が様々な情報を受け取れるようになったこと。
一昔前までは「入局して専門医になって、論文書いて博士号をとり、医局にお礼奉公する」といったゴールデンルートがあり、それ以外の働き方を誰も考えなかった。「専門医」や「博士」といった餌につられ、悪く言えば馬車馬のように働いていたわけ。
SNSが普及した今、いままでのゴールデンルート以外の働き方があることが広く認識され、良くも悪くも「医局洗脳」が解けつつある。
ネットでは爺医が
「これだから若者は、、」
「これだからZ世代は、、、」
みたいなコメントを見かけるが、これは自身が時代の流れに適応できていないだけ。35を過ぎると老害化しやすいと言われるので、自分も気を付けないといけない。
国は直美是正の流れ
美容業界への参入医師が増えたことで、国が対策に乗り出しているようです。
早ければ2026年度から規制が始まるかも。
美容業界の待遇が悪化することは間違いない
美容外科医が急増している昨今、今後の給与働き方などの待遇が悪化することは間違いない。
以前記事にも書きましたが、2024年現在でも「直美」になること自体難しい状況なんです。
おそらく2030年頃には美容外科医の平均所得は1500-2000万程度のレンジに収まり、一般臨床医とほぼ同水準になりそうですね。
保険も自由診療もジリ貧
美容医療もジリ貧だが、一方で保険医療がよいかというとそうでもない。現に年々診療報酬改定に伴い保険点数が徐々に切り下がっているからだ。
では、今後業界がどのようになっていくのか。
すでにレッドオーシャン化している理容業界や歯科業界を見れば分かりやすい。いままで大手が幅を利かせていたものが、徐々に個人単位へと分けられていく流れ。
あとは短期~中期的には包茎などのニッチ分野の開拓が進みそう。
医師で進む多職者(ポリワーカー)
おそらく今後医師でもポリワーカーが増える。美容外科医で働いてベースの給与を担保しつつ、他の職種で起業、開業ということ。
医者は優秀で真面目な方が多いので、いままで雑用などで才能の無駄使いをしていた医師達(官僚も同様)の能力が生かされる場が今後出てくるでしょう。
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