どうも、みなさんこんにちは。
現在整形外科医として勤務していますが、来年以降形成外科専門医の取得も検討しています。
理由は、美容の分野と手外科分野に興味があるから。
今回は、医師向け専門医資格を2つ以上取得することについて、形成外科専門医取得を中心に紹介していきます。
この記事は、専門医を2つ以上取得したい方向けに書いています。
新専門医制度について
2018年より新専門医制度が導入されました。(→日本専門医機構ホームページへ)
実質ドクターの人事権を専門医機構に手渡したことになります。
専門医取得のための条件が大きく変わりましたが、詳しくは学会ホームページを参照していただければと思います。
まとめると
①専門医取得のためには実質各大学病院(または大病院)に入局する必要あり
②最低2か所以上の病院を異動する必要あり
③地域研修という名のへき地医療従事を1年以上行う必要あり
④都内病院での研修にあぶれる可能性がある
研修医の人数があらかじめ決まっていますので、地方なら問題ありませんが、都心病院での研修を希望した場合は困ります。
実際、知り合いの後輩も某都内大学病院に入局しようとしたら、あぶれて北海道の某病院へ行くことになったそうです。
次は鬼門のシーリング制度について説明します。
鬼門のシーリング
2020年よりシーリング制度が導入されました。
シーリング制度についてわかりやすく解説しているサイト(→ドクタービジョンへ)
シーリング制度に関しては、年々勤務年数やシーリング地域が変更になったりもするため、注意が必要です。
2022年度のシーリング数に関しては、専門医機構ホームページに記載されています(→こちら)
ちなみに、旧制度専門医資格保持者はシーリング制度除外の適応外になります。新制度の専門医資格を所有していれば、シーリング適応外になります。
専門医取得済の場合は優遇措置されるのか
以前の記事のように、一部の科からの移行は研修期間が短縮されるなどの優遇措置があります。
例
整形外科、外科、小児科→リハビリテーション
内科→総合内科専門医
など
ですが、それ以外は基本的にはほぼ優遇措置はないと言っていいでしょう。
ただし通常の研修プログラム制から研修カリキュラム制(単位制)にすることは可能です。
研修カリキュラム制(単位制)とは
研修カリキュラム制とは、1か月フルタイム勤務(週4勤務)を1単位として48単位を取得することで専門医受験要件を満たすというもの。
研修プログラム制と異なるのは
①まとまった期間研修を受ける必要がない
②フルタイム勤務でなくても単位が認められる
の2点。
‘‘②フルタイム勤務でなくても単位が認められる‘‘ですが
具体的には以下になります(いずれも1か月の単位数)。
フルタイム勤務(週31時間以上勤務)⇒1単位
非フルタイム 週26~31時間未満 ⇒0.8単位
週21~26時間未満 ⇒0.6単位
週16~21時間未満 ⇒0.4単位
週8~16時間未満 ⇒0.2単位
分かりにくいので例。
例①まとまった期間研修を受ける必要がない
・研修指定病院で2年間フルタイム研修を行った後、2年間休職(もしくは研修指定病院以外の病院に勤務)し、その後研修指定病院で2年間フルタイム勤務を行い専門医受験。
例②フルタイム勤務でなくても単位が認められる
・研修指定病院で週2勤務を行い(0.4単位分)、10年後(48単位/0.4単位=120か月後)専門医受験。
極端ですが、上記のような研修も可能です。
注意点として、専攻科ごとに細かな設定の違いがあったり、研修カリキュラム制自体施行段階で今後制度が変わる可能性が高いことです。
興味のある科の学会ホームページをしっかり確認しましょう。
専門医機構へ問い合わせメール
実際、専門医機構へメールで問い合わせてみました。
とのこと。
研修期間は半年まで開始を遅らせることが可能なようです。
今後の予定とダブルボードに対する考え
ひとまず自分のプランとして、2023年以降しばらくの間東京への移住を考えているので都心での研修プログラムにあぶれた場合は来年度の研修を予定しています。
シーリングで地方病院の研修プログラムに沿うことになった場合、実質1年半~2年地方勤務の必要があるので、関東圏以外なら専門医取得を考え直す必要があります。1年程度なら北海道のへき地医療を体験してもよいですが、家族もいるので難しい状況です。
正直、専門医一つ持っていますし、形成外科も美容分野と手分野に興味があるだけなので、無理してダブルボードで形成外科専門医を取得するメリットもないんです。
ダブルボードは、救急科や麻酔科、内科医、リハビリ医が他科とついでに取得するのがほとんどだと思います。
分野もかぶる同じ外科系や内科系で専門医を2つ以上取得するメリットはないというのが正直なところ。
また、追って経過を報告させていただきます。
コメント