どーも、こんにちは。
先日、単発バイトで個人クリニックの外来診療へ行ってきました。
普段は平均年齢80歳くらいの高齢者の「腰がいて―」「膝がいてー」という訴えを聞くことがほとんど。
しかし、都会の個人クリニックは若者のスポーツ外傷に多く遭遇します。今回も、サッカーによる足関節捻挫の患者さんがたくさんきました。
普段はあまりエコーを使いませんので、今回は足関節捻挫のエコー診断について調べてみました。
足関節外側の靭帯損傷について解説します。
足関節捻挫について
足関節を内側へひねって、主に外側の靭帯を損傷します。
図の前距腓靭帯(ATFL)がもっとも損傷されやすいです。
損傷のグレードは3段階あります。
●足関節捻挫の分類
グレードⅠ・・・靭帯が伸びる程度の損傷
グレードⅡ・・・靭帯の部分断裂
グレードⅢ・・・靭帯の完全断裂
超音波(エコー)の診断方法
図の解剖学的構造を理解しつつ、エコーを当てていきましょう。
まずは、前距腓靭帯の描出方法から
①腓骨・脛腓間にプローブを合わせる
②遠位に向かうと脛骨が消えていく
③距腿関節に至ると脛骨が消える
④距骨滑車が描出される
⑤そのまま遠位に向かうと距骨滑車の傾斜が最大になる
⑥腓骨側を支点にプローブを回転させると滑車の傾斜が下がって、前距腓靭帯が描出される
⑦前距腓靭帯線維が描出される。
‘‘前距腓靭帯の腓骨付着部は、なだらかな骨輪郭が角状になったところの斜面‘‘です。靭帯損傷の有無は長軸像だけでなく、短軸像でも評価しましょう。
下図のように靭帯は描出されます。(左図:正常、右図:損傷例)
損傷した靭帯は、fibrillar patternの乱れ、靭帯の膨化、靭帯・骨膜の軟部組織の腫脹を認めます。
MB Orthop vol.32 No.12 2019より
慣れてきたら前方引き出しテストで不安定があるかも評価してみたいですね。
椅子に踵を乗せるだけで、自動的に自重で前方ストレスがかかります。
過去文献だとXpまたはエコーで外顆剥離骨折が評価できたものの内、約6割はXpで評価出来なかったようです。
エコーで剥離骨折の有無もしっかりみておきたいですね。
正直、エコーを使い慣れないと正確な評価は難しいっす、、。
まずは解剖学的に分かりやすい前距腓靭帯や前下脛腓靭帯の評価から始めて、慣れてきたら二分靭帯も評価してみたい
注意点
前距腓靭帯だけでなく、前下脛腓靭帯もしっかり評価しましょう。
前下脛腓靭帯の損傷がある場合、遠位脛腓関節の不安定性を生じることがあります。
遠位脛腓関節の不安定性は、立位でのXp撮影(正面もしくは距腿関節窩撮影)やストレス撮影(背屈外旋ストレス)で評価できます。
また、前下脛腓靭帯損傷ではMaisonneuve骨折(前下脛腓靭帯損傷+腓骨近位部骨折の合併)も隠れていることがあるので、腓骨近位部の疼痛の圧痛の有無の評価もします。疑われれば下腿全長Xpを検討しましょう。
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