どーもこんにちは。
今回は、体外衝撃波治療が最近スポーツを中心とした整形外科分野でも使われだしているらしく、基本原理を解説していきます。
体外衝撃波治療(Extracorporeal shock wave thrapy=ESWT)であり、尿管結石などで治療が確立されていますね。
体外衝撃波治療について
体外衝撃波とは、文字通り患部に衝撃波を当てることで治癒を図るものです。
ここで
超音波となにが違うの?
って疑問が沸いてきますが、超音波は連続的な波、衝撃波は間欠的な波という違いがあります。
超音波は連続な波であるため、エネルギーを上げると熱が生じてしまい、照射エネルギーに限界があります。
衝撃波はエネルギーをある程度上げても熱を生じにくく、照射エネルギーを高く設定できます。
体外衝撃波治療(ESWT)の種類
現在、衝撃波発生装置には集束型衝撃波(focused shock wave:FSW)と拡散型圧力波(radial pressure wave: RPW)の2種類があります。
○集束型衝撃波(focused shock wave:FSW)
・装置内で発生させた衝撃波のエネルギーを1点に集束させるもの。
・発生方式として電磁誘導方式、電気水圧式、ピエゾ圧電方式がある。
・至適到達距離は50㎜前後
・照射頻度は1~4Hz
○拡至適散型圧力波
・集束型と違い、発生源から広がるように圧力波が出る。
・電気空気圧方式で発生
・到達距離は20㎜程度まで
・集束型と比べて1/20程度のエネルギー量
・照射頻度は5~21Hz
集束型の方がエネルギー量が多いので、拡散型より治癒効果が高いことが予想されていますが、拡散型のエネルギーでも治療効果には十分とされています。
体外衝撃波が効くメカニズム
臨床効果として除痛、抗炎症、組織修復の3点が期待されています。
治療メカニズムとして
①Microinjury(微小損傷)で修復機点の刺激
②Mechanotransduction(機械的シグナル伝達)の誘導
⇒mechanotransductionとは力学的ストレスが細胞内の核や細胞内基質で生科学的シグナルに変換されて細胞が活性化し、成長因子の産生が促されること
③神経終末部の破壊 ⇒除痛効果が得られる。
④照射部の血流増加 ⇒組織修復に寄与する
体外衝撃波治療の適応疾患
2022年時点では、難治性足底腱膜炎のみが保険適応。
その他、難治性腱症/付着部症、偽関節や疲労骨折などの骨疾患、肘障害、肩関節周囲神経障害、関節拘縮などへも治療が試されています。筋損傷や皮膚潰瘍にも治療が検証されているようです。
超音波でも骨癒合しない偽関節とかリハビリでも改善が得られない関節拘縮とかはやる価値ありそう
詳しくは学会ホームページを参照ください↓。
まとめ
・ESWTが運動器疾患にも期待されている
・適応疾患の範囲拡大は今後に期待
以上、ESWTの基本原理について紹介してみました。
個人的には、衝撃波で自由神経終末を破壊してしまうので、スポーツを行う若者へは将来的な懸念も含めて治療は慎重に行うべきだとは思いますが、偽関節や関節拘縮など手術適応疾患に関しては、手術の前段階治療としてかなり期待していい治療法だと思いました。
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