初期研修医を終えてから、専門医を取得するか悩まれる方も多いと思います。
僕は整形外科専門医を取得しましたが、実際専門医は必要かどうか振り返ってみます。
結論、「将来的に医師だけで働き続ける」のであれば必要かと思います。
専門医を取得してから実際なにが変わったか説明します。
これは、初期研修医や後期研修医で専門医を考えている方向けの記事です。
基本領域の専門医について
みなさんご存じの通り、日本専門医機構が掲げる基本分野は19領域となります。
分野によって専門医試験受験の条件は異なりますが、おおむね以下が必要。
・研修プログラムに登録後、指定施設で3~5年の研修
・学会論文1篇以上、学会発表1,2回以上
・必要な症例の提出、レポートの提出
問題となるのは、研修期間が3~5年必要となり取得までの道のりが長い事。
また人によっては、医局に属するのが性格的に合わない方もいます。
専門医取得の実際
専門医取得までの道のりは長い
症例提出、レポート提出も面倒ですが、研修期間が3~5年あるのが長い、、。
整形外科的な事情ですが、症例数は2年もあれば集まります。
個人的な体感ですが、一般的な経験を一通りするのであれば3年で十分だと思います。
ある程度一人で出来るようになるのは5年は必要になりますが、、、。
組織に順応する必要がある
現在の新専門医制度では、各病院をローテンションする必要があります(3か月以上の僻地医療も必要)。
またほとんどの方が医局に入ることになりますので、コミュニティーの中でうまくやっていく必要もあります。
特に地方であればあるほど、昭和の古い名残や働き方・医局員の意識もありますので、人によっては適応できない方も出てくるかもしれません。外科は体育会系な雰囲気の所も多いですしね。
時間的な無駄は多い
大学病院など人員が多い所では、自分が主体的になにかをする機会はありません。
入局した最初の1、2年はなにもわからないので、上の先生について回るだけでも十分。
しかし、3年目以降はカンファレンスや集団回診、執刀でない手術の見学など、こういった時間を無駄と感じることが多々あります。
専門医を取得しても給料は上がらない
専門医を取得しても給料はたいして上がりません。
1万円程度基本給に上乗せされる程度。
アルバイトも日給あたり1,2万円は上がりますが、スズメの涙ほど。
専門医取得のメリット
知識・経験が身につく
なんだかんだ3~5年の研修期間を過ごせば一通りの知識が身に付きます。
専門医試験の勉強もしますのでなおさらです。
基本的な論文作成のやり方や発表の仕方も身に付きます。
信頼が得られる
最大の専門医取得のメリットは信頼を得られること。
患者さんからもですが、特にドクター側の信頼が得られます。
専門医を持っていないドクターを一人前として見ない先生も多いです。
専門医持ってても全然一人前ではないんですが、最低限の登竜門感はあります。
専門医が不要な人
医師をメインの仕事にしない人
起業家や投資家、インフルエンサー職など。医師をメインの仕事にしない方は必要ありません。
最近であれば河野玄斗さん、しゅんしゅんpクリニックさんなどですね。
医師がサブの仕事なので、医師という肩書が大事だったり、医師免許がバイトの時給upとしての存在だったりします。
バイト医しか考えていない人
AGAや健診バイトのみでよいという方。
上で紹介した「医師をメインの仕事にしない人」ともかぶりますね。
既婚の女医さんはこういった働き方も良いと思います。
美容系ドクターに特化する人
初期研修終わってすぐ美容分野に行く人が最近では増えてきています。
形成外科に行ってから美容分野に行くのが王道ですが、顔面骨切りなどの比較的難易度が高い手術を行わなければ、一旦形成外科に入るメリットはあまりないかもしれません。
個人的には創傷治癒に関して、一通り勉強してから美容分野に行く方がいいとは思いますが、実際働きつつ勉強することも可能なのでどちらが良いとは言えません。
まとめ
医師として働き続けるのであれば、信頼を得るという点からも一つは基本領域の専門医は取得した方がいい。
しかし、今後医師の働き方が大きく変わるので、専門医を持つ必要性はだんだん薄まっていくかもしれません。
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