2025年(第37回)整形外科専門医試験解答&解説【問76-100】

今回は問76~100になります。前回はこちら↓

問76 87 歳の女性.軽微な外傷後に腰仙部および左大腿後面から下腿後面にかけて疼痛が出現し歩行困難となったため受診した.明らかな下肢筋力低下は認めない.腰椎MRI矢状断像,冠状断像を示す. 病態を把握するために行うべき検査はどれか.

a 仙骨部MRI
b 全身PET-CT
c 腰椎X線断層撮影
d 腰椎X線動態撮影
e 立位脊椎全長X線

解答;a
ChatGPT解答:a
解説:

画像では腰椎椎体に明らかな新鮮骨折像や著明な椎間狭小化はなく、脊柱管・椎間孔の閉塞所見も乏しい。

患者は高齢女性・軽微外傷という典型的背景をもち、症状は腰仙部から殿部・大腿後面〜下腿後面へ放散。S1領域の偽坐骨神経痛様パターンは仙骨不全(疲労)骨折でしばしば出現する。

仙骨骨折は腰椎MRIの撮像範囲外にあることが多く、単純X線では描出困難。STIR あるいはT2 fat-sat を含む仙骨MRIが骨髄浮腫を描出し病態把握に最も有用。

仙骨不全骨折は高齢女性に多く、L5〜S1ラディキュロパチー様の放散痛を呈することがあり、MRIやCTで初めて診断に到達するケースが頻発する。​

問77 高齢者の左肩関節の単純X線正面像と3D-CTを示す. 正しいのはどれか.

a 男性に多い.
b 橈骨神経麻痺を伴う.
c Rockwood 分類が使用される.
d 大結節は肩甲下筋腱の牽引で転位する.
e リバース型人工肩関節全置換術の適応である.

解答;e
ChatGPT解答:e
解説:

選択肢判定解説
a 男性に多い×近位上腕骨骨折は骨粗鬆症を背景とする高齢女性に圧倒的に多い。
b 橈骨神経麻痺を伴う×橈骨神経麻痺は主に上腕骨骨幹部骨折で問題となり、近位骨折ではまれ。
c Rockwood分類が使用される×Rockwood分類は肩鎖関節脱臼の分類。近位上腕骨骨折には Neer や AO/OTA 分類を用いる。
d 大結節は肩甲下筋腱の牽引で転位する×大結節は棘上筋・棘下筋・小円筋に牽引されて後上方へ転位。肩甲下筋は小結節に付着。
e リバース型人工肩関節全置換術の適応高齢者の粉砕・4パート・骨頭分割型骨折では、リバース型人工肩関節の方がプレート固定やヘミ関節形成より成績が良好と報告され、第一選択となりつつある。​

問78 25歳の男性.柔道で投げられた際に右肩から落ちて受傷し,当日受診した.右肩に疼痛を訴える.右肩鎖関節単純X線正面像を示す. 正しいのはどれか.2つ選べ.

a Piano key sign がみられる.
b Rockwood type Ⅲである.
c 烏口肩峰靱帯は断裂している.
d 肩鎖関節包は損傷していない.
e 手術治療の良い適応である.

解答;a,e
ChatGPT解答:a,b 不正解
解説:

🌟 Rockwood分類(肩鎖関節脱臼分類)

型(Type)損傷の内容鎖骨の転位靱帯損傷治療方針
I型捻挫(関節包の損傷)転位なしAC関節包:軽度損傷
CC靱帯:正常
保存療法
II型部分脱臼軽度上方転位(<100%)AC関節包:断裂
CC靱帯:部分断裂
保存療法
III型完全脱臼上方転位(100%前後)AC・CC靱帯とも断裂原則保存(競技者は例外あり)
IV型後方脱臼鎖骨が肩甲骨後方(僧帽筋内)に転位AC・CC靱帯とも断裂手術適応
V型高位脱臼上方転位(200%以上)+筋膜断裂AC・CC靱帯断裂+筋膜損傷手術適応
VI型下方脱臼(稀)鎖骨が烏口突起下や肩峰下へ重度損傷(神経血管損傷合併あり)手術適応

問79 手関節外傷の単純X線正面・側面像を示す. 病態と治療について誤っているのはどれか.

a 正中神経障害を起こす.
b 早期に徒手整復を行う.
c Gilula アークは保たれている.
d 舟状月状骨間靱帯損傷を合併する.
e 陳旧例では近位手根列切除が選択される.

解答;c
ChatGPT解答:c
解説:

選択肢〇/×根拠
a 正中神経障害を起こす周月状脱臼の 25–50 %に急性手根管症候群が併発
b 早期に徒手整復を行う神経障害・軟部組織損傷を防ぐため、救急外来で直ちに牽引-整復が推奨
c Gilulaアークは保たれている×周月状脱臼ではPA像の3本のGilulaアークが必ず破綻
d 舟状月状骨間靱帯損傷を合併する損傷はまず舟状-月状靱帯から始まるのが典型
e 陳旧例では近位手根列切除が選択される発見・整復が遅れた症例の救済術として近位手根列切除(PRC)が報告されている

🧠 Gilulaアークとは?

手関節単純X線(特にPA像)で、手根骨が正常に並んでいるかどうかを判断するための3本の連続的な曲線のこと。

📏 アークの定義

アーク番号対応する手根骨意味・位置
アーク1橈骨遠位端〜舟状骨・月状骨・三角骨の近位面近位手根列の上縁
アーク2舟状骨・月状骨・三角骨の遠位面近位手根列の下縁
アーク3大小菱形骨・有頭骨・有鉤骨の近位面遠位手根列の上縁

問80 高齢者肘関節外傷の単純X線正面・側面像を示す. 病態と治療について正しいのはどれか.

a 神経・血管損傷を伴う.
b 上腕三頭筋の断裂がある.
c 高エネルギー外傷である.
d 骨折部に回旋力がかかりやすい.
e 保存的治療にて良好に骨癒合する.

解答;d
ChatGPT解答:d

問81 67 歳の女性.階段を踏み外して転倒後,歩行ができなくなったため救急搬送された.受傷時右膝関節単純X線正面像,側面像を示す. 手術治療について誤っているのはどれか.

a 術中に創外固定を使用した.
b 外側半月板断裂を修復した.
c 膝関節鏡で関節内を洗浄した.
d 骨欠損部に自家腸骨を移植した.
e 外側に保護プレート固定を行った.

解答;e
ChatGPT解答:a 不正解
解説:

問82 52歳の男性.脚立から転落し救急搬送された.受傷直後の骨盤単純X線正面像を示す. 正しいのはどれか.

a 骨盤輪骨折である.
b 前柱および後柱が転位している.
c 初期固定にpelvic binderを用いる.
d 骨折分類にはYoung-Burgess分類を用いる.
e 整復法は股・膝関節を90度屈曲位で牽引する.

解答;b
ChatGPT解答:b
解説:

画像読影と病態

  • AP骨盤像で右大腿骨頭が寛骨臼内側へ突出し、内側壁(quadrilateral plate)が破綻
  • いわゆる**中央脱臼型(central fracture-dislocation)**の寛骨臼骨折
  • 中央脱臼では 前柱・後柱のいずれか一方だけでなく両柱が連続性を失うことがほとんど

選択肢の検討

選択肢判定解説
a 骨盤輪骨折である×寛骨臼(acetabulum)骨折であり、Young-Burgessが対象とする骨盤輪破綻とは区別される。
b 前柱および後柱が転位している中央脱臼は股骨頭が内側壁を押し抜けるため両柱が離断されることが一般的。
c 初期固定にpelvic binderを用いる×出血コントロールが目的の骨盤輪損傷用デバイスであり、寛骨臼骨折には効果が乏しい。
d 骨折分類にはYoung-Burgess分類を用いる×寛骨臼骨折は Letournel-Judet分類を用いる。Young-Burgessは骨盤輪損傷用。​
e 整復法は股・膝関節を90°屈曲位で牽引する×これは後方股関節脱臼(Allis法)の整復肢位。中央脱臼では適用されず、まず牽引で内側転位を解除しCTでプランニングする。

問83 85 歳の女性.歩行中に誘因なく転倒し歩行不能となったため救急搬送された.アレンドロン酸を 5 年間内
服している.受傷時両股関節単純 X 線正面像を示す.
この症例について正しいのはどれか.


a 骨癒合は遷延しやすい.
b 不安定型転子部骨折である.
c 骨代謝回転は亢進している.
d 骨硬化のために髄腔リーミングが困難である.
e 骨折部外側骨皮質のびまん性骨膜肥厚を認める.

解答:a
ChatGPT解答:a
解説:

問84 55 歳の男性.濡れた路面で滑り左足関節を捻って受傷した.受傷時左足関節単純 X 線正面像,側面像および徒手整復後左下腿単純X線正面像,側面像を示す. 正しいのはどれか.2つ選べ.

a 三果骨折である.
b 脛腓間が不安定である.
c Maisonneuve 骨折である.
d 腓骨前方にWagstaffe骨片がある.
e 徒手整復後左下腿単純X線正面像,側面像 前下脛腓靱帯付着部にTillaux-Chaput骨片がある.

解答;b,c
ChatGPT解答:b,c
解説:

選択肢判定根拠
a 三果骨折である×内・外・後果の三果いずれも骨折している像はなく、外顆は高位骨折。
b 脛腓間が不安定である遠位脛腓靱帯損傷により外顆が外側へ開大し、脛腓間離開像を呈している。
c Maisonneuve 骨折である足関節の遠位脛腓靱帯損傷+内側果裂離(もしくは三角靱帯損傷)に加え、腓骨近位端の高位骨折を伴っており典型的。
d 腓骨前方にWagstaffe骨片がある×Wagstaffe-Le Fort骨片(遠位腓骨の前縁裂離)は確認できない。
e Tillaux-Chaput骨片がある×前下脛腓靱帯の脛骨側裂離骨片は画像上みられない。

問85 骨盤輪骨折のYoung-Burgess (ヤング-バージェス)分類で側方圧迫型に分類されるのはどれか.2つ選べ.

a ①
b ②
c ③
d ④
e ⑤

解答;a,c
ChatGPT解答:a.b 不正解
解説:
Young-Burgess 骨盤輪骨折分類で 側方圧迫型(Lateral Compression, LC) に該当するのは
図中の ①(LC-Ⅰ)③(LC-Ⅲ) です。

LC 型特徴判定
① (a)LC-Ⅰ同側恥骨枝骨折+同側仙骨前方圧壊骨折
② (b)APC-Ⅰ恥骨結合離開+腸骨翼回旋外転×
③ (c)LC-Ⅲ (windswept)受傷側はLC-Ⅱ様(crescent fracture)、反対側は開放型(APC)
④ (d)VS(垂直剪断)片側骨盤の垂直偏位×
⑤ (e)VS/不安定複合損傷片側腸骨翼~坐骨の垂直剪断×

問86 末梢神経の構造と機能について誤っているのはどれか.

a 神経周膜には基底膜が存在する.
b 軸索輸送の流れには順行性と逆行性がある.
c 神経筋接合部の伝達物質はアセチルコリンである.
d Meissner (マイスナー)小体は腱の中にある感覚受容器である.
e 神経内の血管内皮がblood-nerve barrier(血液神経関門)の機能をもつ.

解答;d
ChatGPT解答:d
解説:

選択肢判定解説
a 神経周膜には基底膜が存在する。神経周膜(perineurium)は半透膜としての機能を持ち、基底膜を含む。
b 軸索輸送の流れには順行性と逆行性がある。順行性(細胞体→軸索末端)と逆行性(末端→細胞体)の2方向が存在。神経栄養因子やウイルスなどが逆行性に移動。
c 神経筋接合部の伝達物質はアセチルコリンである。運動神経と筋の接合部ではアセチルコリン(ACh)が使用される。
d Meissner小体は腱の中にある感覚受容器である。Meissner小体は真皮乳頭層(皮膚の浅層)に存在し、触覚(軽い圧・振動)を感知する受容器。
腱にある感覚受容器はGolgi腱器官(GTO)
e 神経内の血管内皮がblood-nerve barrier(血液神経関門)の機能をもつ。血液脳関門と同様、神経周膜および血管内皮が血液成分の拡散を制限している。

問87 特発性後骨間神経麻痺について誤っているのはどれか.

a 下垂手になる.
b 神経にくびれを生じる.
c 前駆症状として疼痛がある.
d 発症初期は保存治療を行う.
e 神経束間剥離術の適応がある.

解答;a
ChatGPT解答:c 不正解

問88 25 歳の男性.右利き.テニス愛好家.サーブの後に急に右手の痛みが生じた.単純 X 線手根管撮影像を示す.正しいのはどれか.

a ulnar minus variance が原因である.
b 環指橈側にしびれを生じる.
c Kaplan’s cardinal line と環指橈側の線の交点に圧痛がある.
d 早期のスポーツ復帰のために骨片摘出術が推奨される.
e 放置すると尺側手根屈筋皮下断裂を生じる.

解答;d
ChatGPT解答:c 不正解
解説:

選択肢判定解説
a ulnar minus variance が原因である×ulnar minus variance はキーンベック病(月状骨無血性壊死)の素因であり、鉤骨鈎骨折の好発要因ではない。
b 環指橈側にしびれを生じる×鉤骨鈎骨折で圧迫されるのは尺骨神経掌枝→しびれは環指尺側と小指に出る。環指橈側は正中神経領域。
c Kaplan’s cardinal line と環指橈側の線の交点に圧痛がある×鉤骨鈎の表面投影は Kaplan’s cardinal line と環指軸“尺”側の交点。本文は「橈側」と記載しており位置がずれるため不正確。
d 早期のスポーツ復帰のために骨片摘出術が推奨されるテニス・ゴルフなど握力を多用する競技者では固定による遅延癒合・偽関節リスクが高く、鈎部摘出により疼痛を早期に除去し2~4週で競技復帰できる報告が多い。
e 放置すると尺側手根屈筋皮下断裂を生じる×摩擦による障害を受けやすいのは深指屈筋腱であり、尺側手根屈筋(FCU)皮下断裂の報告はほぼない。

問89 投球障害肩について正しいのはどれか.

a 前方関節唇損傷が生じる.
b 滑液包面腱板断裂が生じる.
c Speed テストが陽性となる.
d Internal impingement が生じる.
e コッキング期に後方関節包が牽引される.

解答;d
ChatGPT解答:d
解説:

✅ 投球障害肩の病態整理

投球動作、特に**コッキング期(最大外旋)**で肩関節に大きな負荷がかかる。
その結果生じる代表的な病態が:

  • Posterior shoulder tightness(後方関節包の短縮)
  • GIRD(肩内旋可動域制限)
  • Internal impingement(関節内インピンジメント)
    • 後上方関節唇と腱板(主に棘上筋・棘下筋)が骨頭と関節窩間で挟まる

問90 大腿骨寛骨臼インピンジメント(femoroacetabular impingement:FAI)について正しいのはどれか.

a Cam type とPincer typeは合併しない.
b Cam type ではherniation pitは認めない.
c Pincer type では cross-over sign は認めない.
d Pincer type の診断に α角の計測は有用である.
e 股関節屈曲・内旋位で鼡径部に疼痛が誘発されるのがanterior impingement signである.

解答;e
ChatGPT解答:e
解説:

選択肢判定解説
a Cam type とPincer typeは合併しない多くの症例で Cam + Pincer の混合型(Mixed type) がみられる。
b Cam type ではherniation pitは認めないCam type(大腿骨頭頸部移行部の膨隆)では**herniation pit(小嚢胞状陰影)**を伴うことが多い。
c Pincer type では cross-over sign は認めないcross-over sign(前方寛骨臼被覆の過剰)はPincer typeを示唆する代表的所見。
d Pincer type の診断に α角の計測は有用であるα角は Cam type の診断指標。Pincer型では用いない。
e 股関節屈曲・内旋位で鼡径部に疼痛が誘発されるのがanterior impingement signであるAnterior impingement test は FAI のスクリーニングでよく用いられる臨床所見。

問91 膝関節疾患について正しいのはどれか.2つ選べ.

a 円板状半月損傷では縦断裂が多い.
b 半月板の逸脱は超音波検査により評価可能である.
c 外側側副靱帯損傷は膝靱帯損傷の中で最も発生頻度が高い.
d 内側側副靱帯単独損傷では,保存療法でスポーツ復帰が可能である.
e 反復性膝蓋骨脱臼では,ある範囲の膝運動域で膝蓋骨が脱臼位となる.

解答;b,d
ChatGPT解答:b,d
解説:
e;習慣性

問92 左膝外傷後のMRI T2強調冠状断像および矢状断像を示す. 本疾患について正しいのはどれか.2つ選べ.

a 膝外反位で損傷する.
b 高齢者では手術適応はない.
c ダイアルテストが陽性となる.
d 大腿骨内側顆に骨挫傷を認める.
e 放置すると内側半月板損傷が増加する.

解答;a,e
ChatGPT解答:a,e
解説:

選択肢判定解説
a 膝外反位で損傷する.前十字靱帯(ACL)損傷は“knee-in toes-out”姿勢──膝外反+脛骨外旋+膝屈曲──で生じやすい。
b 高齢者では手術適応はない.×活動性や症状により高齢者でも再建術が行われることがある。
c ダイアルテストが陽性となる.×ダイアルテストは後十字靱帯/後外側複合体損傷の指標であり、単純ACL損傷では通常陰性。
d 大腿骨内側顆に骨挫傷を認める.×ACL損傷に伴う典型的な骨挫傷は外側大腿顆と後外側脛骨プラトー。内側顆はまれ。
e 放置すると内側半月板損傷が増加する.ACL機能不全が続くと二次的に内側半月板(特に後角)の損傷リスクが高まることが報告されている。

問93 28 歳の男性.陸上長距離選手.半年前から足の痛みがあり,受診したところ,疲労骨折と診断された.両足単純X線正面像を示す.骨折した骨はどれか.

a 左舟状骨
b 左第5中足骨
c 右第5中足骨
d 左母趾種子骨
e 右母趾基節骨

解答;a
ChatGPT解答:a
🔷 Sangeorzan分類(舟状骨骨折の分類)

タイプ特徴安定性手術適応の傾向
Type I骨折線が縦走し、前後方向に分かれる。
関節面に及ばないことが多い。
安定型保存療法が多い
Type II骨折線が背側外側から足底内側に斜走し、
距舟関節面を含む
不安定型多くは手術(整復+固定)適応
Type III骨折線が水平に近く横走し、
内側楔状骨との関節面まで含む
不安定・粉砕傾向あり整復困難。手術適応が強い

問94 血圧と心拍数に最も影響を与える運動はどれか.

a 等尺性筋収縮運動
b 等張性筋収縮運動
c 等運動性筋収縮運動
d ペダルを用いた回転運動
e ステッパーを用いた屈伸運動

解答;a
ChatGPT解答:a

問95 85 歳の女性.転倒による右大腿骨頚部骨折に対し受傷当日に髄内釘による観血的整復固定術を施行した.併存症に右片麻痺があり,歩行は10 mほど可能であった.また軽度の認知症があり理解力の低下があった. リハビリテーション処方として適切でないのはどれか.

a 術翌日に処方
b 作業療法の処方
c 左下肢の筋力増強訓練の指示
d 50%部分荷重で歩行訓練の指示
e 処方箋に合併症に関する医学的留意点の記載

解答;d
ChatGPT解答:d

問 96 適切な松葉杖の処方はどれか.

解答;c
ChatGPT解答:c
解説:

評価項目正しい基準c の状態
腋窩パッドの位置腋窩底より 約2–3 指(5 cm)下写真では腋窩に余裕があり圧迫なし
手握りの高さ立位で肘が 20–30° 屈曲肘が軽度屈曲している
杖先の位置足先前外側 約15 cm写真では適切な距離
肩の挙上・すくみなし肩はリラックス

問97 装具療法の目的として誤っているのはどれか.

a 患部の固定
b 変形の矯正
c 筋力の補助
d 麻痺筋の改善
e 運動の単純化

解答;d
ChatGPT解答:d
解説:

選択肢判定解説
a 患部の固定最も基本的な目的。骨折や靱帯損傷などの安静・保護に使用される。
b 変形の矯正側弯症、尖足など構造的または機能的変形を矯正・進行防止する目的がある。
c 筋力の補助筋力低下に対して外部支持によって動作を補助(例:AFOでの足関節背屈補助)。
d 麻痺筋の改善装具は麻痺そのものを改善する機能はない。あくまで代償・サポートであり、神経再建やリハビリによる機能回復が必要。
e 運動の単純化運動学習や機能訓練の中で、不要な動きを抑えて運動を単純化・効率化することも目的の一つ。

問98 下腿切断手術で正しいのはどれか.2つ選べ.

a 神経は骨断端高位で切離する.
b 筋断端の処理に筋固定術を行う.  
c 脛骨の切断端は前面を斜めに切り落とす.
d 腓骨は脛骨切断端より1 cm遠位で切断する.
e 閉塞性動脈硬化症では前後の皮弁を同長にする.

解答;b,c
ChatGPT解答:b,c
解説:

選択肢判定解説
a 神経は骨断端高位で切離する。神経は軟部組織内で張力をかけず高位で牽引切離し、**骨断端から離す(遠位に出さない)**ことで神経腫形成・疼痛を防ぐ。骨近くで切るのはNG。
b 筋断端の処理に筋固定術を行う。筋群の再付着のために、**筋縫合(myoplasty)や筋膜縫合(myodesis)**を行い、断端の安定性と機能維持を図る。
c 脛骨の切断端は前面を斜めに切り落とす。脛骨の前縁は突出しているため、斜めにカットし軟部組織をカバーしやすくする。断端の潰瘍や義足装着時の圧痛を防ぐ工夫。
d 腓骨は脛骨切断端より1 cm遠位で切断する。腓骨は通常、脛骨より 1–2 cm 近位(高位)で切断する。遠位に残すと突出しやすくトラブルの元。
e 閉塞性動脈硬化症では前後の皮弁を同長にする。血流の乏しい前皮膚は短く・後皮膚を長く取る(後方に血流豊富な皮弁を回す)が原則。栄養状態を考慮して設計する。

問99 65歳の男性.勤務終了後,帰宅途中に階段を転落して大腿骨骨幹部開放骨折を受傷した.これに対し,①手術同意書を取得した上で,X 線透視下に洗浄・整復・創外固定を行った.X 線照射に際しては,医師による指示および監督のもと,②X 線照射ボタンを看護師が押した.術後に輸血が必要となり,③届いた輸血製剤を夜勤看護師2名が照合し投与した.④一連の治療は労災保険扱いで行った.後日,患者からの請求にもとづき,⑤医療事務補助者が診断書を発行した. 下線をつけた①~⑤のうち,適切なのはどれか.3つ選べ.

a ①
b ②
c ③
d ④
e ⑤

解答;a,c,d
ChatGPT解答:a,c,d
解説:

項目判定解説
① 手術同意書を取得した上で整復・創外固定を行った手術を行う際には必ず文書によるインフォームド・コンセントが必要であり、正当な手順。
② X 線照射ボタンを看護師が押した放射線の照射操作(ボタン操作)は、原則として医師または診療放射線技師が行うべきであり、看護師が押すのは違法行為
③ 輸血製剤を看護師2名で照合・投与した輸血は2名の看護師によるダブルチェックが義務付けられており、安全管理として正しい
④ 労災保険扱いで治療した通勤途中の負傷であれば通勤災害として労災保険の対象となるため、制度上も適切。
⑤ 医療事務補助者が診断書を発行した診断書の発行は医師法に基づき医師のみが行うことができる。補助者が記載・発行するのは違法。

問100 柔道整復師に認められている業務はどれか.3つ選べ.

a 外用鎮痛薬の処方
b 施術証明書の発行
c 肘関節脱臼の整復
d 足関節捻挫に対する湿布処置
e 橈骨遠位端骨折の超音波診断

解答;b,c,d
ChatGPT解答:b,c,d
解説:

選択肢判定解説
a 外用鎮痛薬の処方柔道整復師に薬剤の処方権はない(医師法・薬機法により制限)。
b 施術証明書の発行柔道整復師が行った施術については、施術証明書を発行できる(療養費請求などに用いる)。
c 肘関節脱臼の整復柔道整復師は応急手当としての整復が認められており、脱臼・骨折も医師の同意なしに初回応急処置が可能(その後の施術は医師の同意が必要)。
d 足関節捻挫に対する湿布処置湿布は薬剤ではなく処置行為の一部とされ、柔道整復の範囲内で行える。
e 橈骨遠位端骨折の超音波診断超音波機器を用いた診断行為は医師に限られ、柔道整復師は原則不可(参考所見として使うことはあっても「診断」としては違法)。
あざらし

ChatGPTの正答率は20/25(80%)!!

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